製品概要:FF Nova Miniとは?
FF Nova Mini(エフエフ・ノヴァ・ミニ)は、米Faraday Future(FF)と関連会社のFF EAI Robotics Ecosystem(FFR)が2026年10月に発表した、子ども向けの小型二足歩行ヒューマノイドロボットです。
価格は299ドル。二本の脚で歩き、方向転換し、転んでも自分で起き上がり、前転やダンスまでこなします。CNET Japanは「子どもがフィジカルAIを学べる二足歩行ロボ、約5万円で発売 米国で」という見出しで紹介しました。
フィジカルAIとは、AIが現実世界を認識し、ロボットなどの身体を通じて動作する技術のことです。FF Nova Miniは、その入門教材として「画面の中のAI」ではなく「目の前で動くロボット」を通じて仕組みを学ぶことを狙っています。


Faraday Futureは、高級EV「FF 91」で知られる米国ロサンゼルス拠点の企業です。2026年に入ってからはEAI(Embodied AI=身体性AI)ロボット事業に力を入れており、FF Nova Miniは同時発表の開発者向けヒューマノイド「FF Nova」(2,490ドル)とあわせて、その第一弾にあたる製品です。
要点まとめ
FF Nova Miniとは?
- Faraday FutureとFFRが発表した、8歳以上向けの二足歩行ヒューマノイドロボット
- 本体価格は299ドル(1ドル160円換算で約47,840円)
- 高さ34.9cm、重さ0.94kg、アルミ合金フレーム
- 頭・腕・脚に計17個のサーボモーター
- 歩行、方向転換、自力での起き上がり、動的バランス、前転に対応
- 50種類以上の動作・ダンスを収録
- 音声コマンド、アプリのブロックプログラミング、手で動かして動きを記録・再生する機能
- 別売りの学習講座「Physical AI Spark Program」は499ドル(2カ月・16回のライブ授業)
- 米国で販売中。日本での発売・日本語対応は発表されていない
良い点
- 300ドルを切る価格で「本物の二足歩行」を体験できる
- 音声コマンド → 手で教える → ブロックプログラミング → AI・モーション制御、と学ぶ順番が設計されている
- 箱から出してすぐデモ動作ができる完成品で、組み立て不要
- 講師つきのオンライン講座が用意されている
気になる点
- 日本での販売、技適、日本語対応は未発表
- 学習講座は英語・Zoom前提で、本体とは別に499ドルかかる
- 連続稼働は約50分と短め
- 開発者向けの完全なSDKは公開されておらず、本格的な改造には向かない
- Amazon.comは日本へ直送できない(2026年10月20日確認)
- Amazonにも公式ストアにも、購入者レビューはまだ1件もない
- ロボット事業は会社間の買収手続き中で、長期サポート体制は今後の確認が必要
向いていそうな人
- 米国在住、または米国から個人輸入できる家庭
- 子どもにプログラミングやロボット工学の入口を体験させたい人
- 二足歩行ロボットの動きそのものに興味がある人
ざっくり結論
FF Nova Miniは、「子どもが最初に触る二足歩行ロボット」としてよく考えられた製品です。
299ドルで17サーボのヒューマノイドが歩き、起き上がり、踊る。声で指示を出し、手で動きを教え、ブロックで命令を組み立てる。ロボットの仕組みを段階的に学べる設計は、教育用ロボットとして魅力があります。
一方で、2026年10月時点では日本での販売情報がなく、学習講座も英語です。日本の家庭がすぐ選ぶ製品というより、「フィジカルAI教育が一般家庭向けの価格まで降りてきた」ことを示す注目株として見ておくのが現実的です。
子どものための話し相手や、家族の声かけを求めるなら、動くロボットではなく会話型ロボットの方が合います。全国47方言で話すおしゃべり猫型ロボット「ミーア」は、9,800円(税込)〜で日本の家庭で使えます。

価格情報と購入方法
価格
| 商品 | 価格 | 日本円目安(1ドル160円) |
|---|---|---|
| FF Nova Mini 本体 | 299ドル | 約47,840円 |
| Physical AI Spark Program(学習講座) | 499ドル | 約79,840円 |
| 本体+講座 | 798ドル | 約127,680円 |
| 参考:FF Nova(開発者向け) | 2,490ドル | 約398,400円 |
CNET Japanの見出しにある「約5万円」は、本体299ドルを円に換算した目安です。講座料金は本体価格に含まれません。
公式リリースでは、講座の購入者には本体購入に使える現金クーポンが付くとされていますが、金額と条件は公式の販売規約によるとされ、具体額は公表されていません。
購入方法
公式リリースによると、FF Nova Miniは次のチャネルで販売されます。
- FF公式サイト(FF.com)
- FF Mall(shop.ff.com)
- FF公式Amazonストア(米国)
- 学校・大学・企業向けには、FFの直販チームとパートナー経由
Amazon.comには、本体単品の「FF Nova Mini」と、学習講座とセットになった「FF Nova Mini Programmable Humanoid Robot for Kids, Educational Coding Robot with Live Online Robotics Course」の2つの商品ページがあります。


2026年10月20日に日本の配送先で確認したところ、どちらのページも「This item cannot be shipped to your selected delivery location」と表示され、日本への直送はできませんでした。公式ストアの配送ポリシーにも日本向けの案内は見当たりません。日本から買う場合は、転送サービス経由になる可能性が高いです。
FF Nova Miniの仕様

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 形状 | 二足歩行ヒューマノイド |
| サイズ(高さ×幅×奥行) | 349×176×99mm |
| 重さ | 0.94kg |
| フレーム | アルミ合金 |
| サーボモーター | 17個(頭1、腕各3、脚各5) |
| 主な動作 | 歩行、方向転換、自力での起き上がり、動的バランス、前転 |
| 収録動作 | ダンスを含む50種類以上 |
| 音声操作 | 定型コマンド40種類以上(報道)+独自コマンドの設定 |
| プログラミング | アプリのビジュアルブロック、手で姿勢をつけて記録・再生、AIコーディングチューター |
| バッテリー | リチウムバッテリー 2000mAh、連続稼働約50分 |
| 充電 | DC充電(ACアダプター出力 DC 8.4V 2A) |
| 通信 | Bluetooth BLE 4.2 |
| 拡張ポート | DC充電端子、USBデータ端子 |
| 同梱物 | ロボット本体1台、電源アダプター1個 |
| 対象年齢 | 8歳以上 |
| 想定用途 | 家庭、学校(K-12)、放課後プログラム、ロボットクラブ・競技会 |
| 開発者向けSDK | 完全なSDKは非公開 |
| 保証 | 延長保証をオプションで用意(条件は非掲載) |
サイズ、通信方式、同梱物などはFF公式ストアの商品ページで確認した内容です。サーボの配置も公式ページに「頭1、腕3×2、脚5×2」と記載されています。脚に5個ずつ割り当てているのは、二足歩行で重心を保つためです。

なお、Amazonの本体単品ページでは稼働時間を「約1時間」としていますが、公式ストアの表記は「約50分」です。この記事では公式ストアの数字を使っています。
公式FAQでは、子どもが使うときは大人が付き添うよう案内されています。
FF Nova Miniでできること
二足で歩く・転んでも起き上がる

FF Nova Miniの一番の特徴は、二本の脚で歩くことです。
四足のロボット犬や車輪型ロボットと違い、二足歩行は常にバランスを取り続けないと倒れます。重心移動、足の着地、姿勢の補正といった「身体を動かすAI」の難しさが、そのまま動きに表れるのが二足歩行ロボットの面白さです。
転倒しても自力で起き上がれる点も、子ども向け教材としては大事です。倒れるたびに大人が起こす必要がないので、試行錯誤を続けやすくなります。
声で指示を出す

音声コマンドに対応しており、定型のコマンドに加えて、利用者が独自のコマンドを設定することもできます。
学習講座の最初のステップも音声コマンドから始まります。プログラミングの前に「言葉で指示するとロボットが動く」体験から入る構成です。
ただし、ここでいう音声操作は「歩いて」「踊って」のようなコマンド操作が中心です。雑談や相談に応じる会話ロボットとは性格が違います。
手で動きを教えて再生する
ロボットの手足を実際に動かして姿勢をつけ、その動きを記録して再生する機能があります。
コードを書かなくても、「動きはデータとして保存できる」「ロボットに動きを教えられる」という感覚をつかめます。Petoi QuaddleのLearn & Replayと同じく、プログラミング前の入口として分かりやすい仕組みです。

ブロックプログラミングで動作を組み立てる

アプリ上で命令ブロックを組み合わせて、動作のプログラムを作れます。慣れてきたら、オリジナルのダンスを振り付けたり、障害物コースを攻略させたりといった課題に進めます。
公式リリースでは、学習の流れを「音声コマンド → 動きを教える → ブロックプログラミング → AIとモーション制御の概念」と説明しています。
学習講座「Physical AI Spark Program」とは?
FF Nova Miniには、別売りの学習講座「Physical AI Spark Program」(Nova Mini Physical AI Foundations Curriculum and Skills)が用意されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 価格 | 499ドル(本体別) |
| 期間 | 2カ月(8週間) |
| 授業 | 16回のライブ授業(Zoom) |
| 人数 | 1グループ6〜10人の少人数制 |
| 前提 | プログラミング経験不要 |
| ゴール | オリジナルのロボットダンスを発表 |
毎回の授業でロボットに新しいスキルを一つ教え、その課題が子ども自身のフィジカルAIポートフォリオとして積み上がっていく構成です。最終回では、自分で作ったダンスをロボットに踊らせて発表します。
Amazonの講座セットのページでは、授業は週2時間で、受講する子ども一人ひとりが自分のNova Miniを使い、電源の入れ方から始めて最後は一連の体操ルーティンをプログラムするまで進む、と説明されています。クラスは6人から開講し、上限は10人です。
教育機関向けには、授業計画、実験マニュアル、教室用キット、教員研修もあわせて提供されるとしています。

日本の家庭から見たときの課題は、授業が英語で、米国の時間帯に合わせて開かれる可能性が高いことです。英語学習を兼ねられる子どもには面白い機会ですが、本体だけ買って家庭で遊ぶ場合は、アプリと公式資料だけで進めることになります。
口コミ・評判は?
2026年10月20日時点で、FF Nova Miniの購入者レビューは見つかりませんでした。
- Amazon.com:講座セットのページは「There are 0 customer reviews.」で、レビュー・星評価ともに0件。本体単品のページにも評価はありません
- FF公式ストア:商品ページにレビュー欄や評価の表示はありません
- メディア:TechRepublic、The Next Web、Unite.AIなど海外メディアの記事は発表内容の紹介が中心で、実機を使った検証レビューは見つかりませんでした
- Reddit・YouTube:FF Nova Miniを扱った投稿や開封動画は見つかりませんでした
発売から数日しか経っていないため、二足歩行の安定性、転倒への耐久性、音声コマンドの認識精度、アプリの使いやすさといった実際の使用感はまだ分かりません。購入を考えるなら、Amazonのレビューや海外の開封動画が出そろうまで待つのも一つの方法です。
この記事は、購入者レビューが出てきたら追記します。
上位モデル「FF Nova」との違い
同時に発表された「FF Nova」は、開発者や研究機関向けの人型ロボットです。
| 比較項目 | FF Nova Mini | FF Nova |
|---|---|---|
| 価格 | 299ドル | 2,490ドル(開発者スキルパッケージ390ドル別) |
| 対象 | 8歳以上の子ども、家庭・学校 | 開発者、教育機関、研究 |
| 自由度 | 17サーボ | 20自由度 |
| センサー | 公表情報は限定的 | LiDAR、広角カメラ、深度センサー、円形マイクアレイ |
| AI | 音声コマンド、ブロックプログラミング | 大規模音声AIモデル連携、声紋認識、AIエージェント連携 |
| 開発環境 | 完全なSDKは非公開 | オープンSDK、ROS 2、Sim2Real強化学習 |
| 販売 | 販売中 | 第1期は招待制100台 |
FF Novaは、強化学習で動作を開発したり、AIエージェントと連携させたりする本格的な開発プラットフォームです。FF Nova Miniはそこから機能を絞り込み、子どもが「動かして学ぶ」ことに特化したモデルと考えると分かりやすいです。
他の二足歩行・教育ロボットと比べると?
| 製品 | 形状 | 価格目安 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| FF Nova Mini | 二足歩行ヒューマノイド | 299ドル | 子どものフィジカルAI入門、完成品で手軽に始めたい |
| Microduck | 二足歩行(アヒル型) | 399ドル | 強化学習・Sim2Realなど開発寄り |
| Petoi Quaddle | 四足歩行ロボット犬 | 99ドル〜(Kickstarter) | 組み立て・改造・Python/ROS学習 |
| Otto DIY | 二足歩行(3Dプリント) | キット次第 | 自作・電子工作から学ぶ |
| RoBoHoN | 二足歩行ロボットスマホ | 国内販売 | 日本語での会話・生活機能 |
| ミーア | 猫型(自走しない) | 9,800円(税込)〜 | 日本語・方言での会話、日常の声かけ |


FF Nova Miniの立ち位置は、「完成品で、すぐ動いて、講座もある二足歩行ロボット」です。Microduckのような開発者向けほど敷居は高くなく、Otto DIYのように自作から始める必要もありません。
その反面、SDKが非公開なので、高校生以上やMaker層が深く改造したい場合は物足りなさが出る可能性があります。
子ども向けの教育ロボット全般を比較したい場合は、こちらも参考になります。

購入前の注意点
日本での販売・技適を確認する
2026年10月時点で、FF Nova Miniの日本発売は発表されていません。アプリとの接続に無線通信を使う製品を日本国内で使う場合、技適マークの有無が問題になります。個人輸入する前に、技適の取得状況を確認してください。
日本語対応は期待しにくい
音声コマンドやアプリ、学習講座が日本語に対応するという情報はありません。子どもが自分で使うことを考えると、英語の音声コマンドを使える年齢か、保護者が英語資料を読めるかが選ぶ際のポイントになります。
稼働時間は約50分
公式ストアによると、バッテリーは2000mAhで連続稼働は約50分です。二足歩行は電力を多く使うため、遊ぶ時間と充電時間を交互に考える必要があります。授業で使う場合は、台数や予備バッテリーの計画も必要です。
会社とサポートの継続性
Faraday Futureのロボット事業は、FFRがFFの関連会社から買収する手続きの途中にあると公式リリースで説明されています。Faraday FutureはEV事業で量産化や資金面の苦戦が長く報じられてきた企業でもあり、アプリ更新、交換部品、保証対応が何年続くかは、発売後の状況を見て判断したいところです。
「ペット」や「話し相手」としては別物
FF Nova Miniは、愛着を育てるペットロボットや、雑談に付き合ってくれる会話ロボットではありません。中心はあくまで「動かして学ぶ」ことです。
おしゃべり猫型ロボット「ミーア」との比較
FF Nova Miniとミーアは、どちらも子どもや家族が触れるロボットですが、目的がまったく違います。
| 比較項目 | FF Nova Mini | ミーア |
|---|---|---|
| 外観・形状 | 二足歩行ヒューマノイド | 猫型・コンパクト |
| 主な目的 | フィジカルAI・ロボット工学の学習 | 会話、方言、生活の声かけ |
| 主な特徴 | 17サーボ、二足歩行、ブロックプログラミング | 全国47方言、表情、音声会話、Googleカレンダー連携、天気情報、15の英語キャラクター |
| 会話 | 音声コマンド中心 | 日本語・方言での音声会話に対応 |
| 動き | 歩く・起き上がる・踊る | 表情とまばたき(自走しない) |
| 日本での購入 | 未発表(米国販売) | 通常販売 |
| 価格帯 | 299ドル(約47,840円)+講座499ドル | 9,800円(税込)〜 |
| 向いている人 | ロボットの仕組みを学びたい子ども | 声かけや会話を楽しみたい家族・高齢者 |
ロボットを「作って動かして学ぶ」ならFF Nova Mini。毎日話しかけて、方言や英語キャラクターとのおしゃべりを楽しむならミーア、という住み分けです。
ミーアの15の英語キャラクターは、子どもが英語の音に親しむきっかけとしても使えます。FF Nova Miniのようなプログラミング教材とは別の方向から、ロボットとの暮らしを楽しめます。
👇 全国47方言を話すおしゃべり猫型ロボット「ミーア」

まとめ:FF Nova Miniは「フィジカルAI教育」を家庭価格にしたロボット
FF Nova Miniは、299ドルで二足歩行・自力起き上がり・ダンスまでこなすヒューマノイドを、子ども向けの教材としてまとめた製品です。
音声コマンドから手で教える動き、ブロックプログラミングへと進む学習の流れと、講師つきの16回講座が用意されている点は、教育用ロボットとしてよく作られています。
一方で、日本での販売・技適・日本語対応は未発表で、Amazon.comからも日本へは直送できません。講座は英語、稼働時間は約50分、購入者レビューはまだなく、会社のロボット事業は再編の途中です。日本から検討するなら、国内販売の発表や実機レビューを待ってからでも遅くありません。
フィジカルAIが研究所から子ども部屋へ降りてくる流れを示す製品として、今後の日本展開に注目したいロボットです。
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