製品概要:Petoi Quaddleとは?
Petoi Quaddleは、PetoiがKickstarterで展開している小型の四足歩行ロボット犬です。
既存のPetoi BittleやNybbleと同じく、オープンソースのOpenCatプラットフォームをベースにしたロボット教材ですが、Quaddleはより小さく、より低価格で、机の上から始めやすい「物理AI・STEM教育向けロボット」として打ち出されています。
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公式ページでは、Quaddleを「4サーボの全方向四足歩行ロボットキット」と説明しています。ブロックプログラミング、Python、C++、ROS/ROS2に対応し、初心者から研究用途まで段階的に使える点が特徴です。
Kickstarterキャンペーンは2026年9月に開始されており、公式ページではBuilder、Buddy、Scoutの3モデルが案内されています。早期支援価格はBuilderが99ドルから、Buddyが139ドルから、Scoutが179ドルからとされ、MSRPはそれぞれ149ドル、219ドル、269ドルです。
この記事では、Petoi Quaddleを「家庭用ペットロボット」としてではなく、子どもや学生、ロボット好きが学ぶための小型ロボット犬として整理します。
要点まとめ
Petoi Quaddleとは?
- Petoiの新しい小型オープンソース四足歩行ロボット
- 4サーボ構造で歩行、横移動、旋回を行う設計
- OpenCatベースで、ブロック、Python、C++、ROS/ROS2に対応
- Builder、Buddy、Scoutの3モデル展開
- BuddyとScoutはAI会話、タッチ反応、手で動きを教えるLearn & Replay機能を訴求
- Petoi Bittleより安く、シンプルに始めやすい一方、動物らしい複雑な動きはBittleの方が得意
良い点
- 99ドルから始められるため、四足歩行ロボットとしては価格の入口が低い
- 4サーボ構造で、組み立て・配線・制御のハードルを下げている
- ブロックプログラミングからPython、C++、ROSまで段階的に学べる
- LEGO互換ブロックや3Dプリントパーツで外観をカスタムできる
- BittleやNybbleと同じOpenCat系なので、Petoi既存コミュニティとつながりやすい
気になる点
- Kickstarter発の製品なので、配送時期、仕様変更、保証、サポートのリスクがある
- 日本向け配送、技適、国内サポート、日本語教材の有無は購入前に確認したい
- ペットのように癒すロボットではなく、基本は組み立てて学ぶ教材
- Buddy/ScoutのAI会話は魅力だが、会話ロボットとしてMiaやRomiと比べる製品ではない
- 4サーボ設計は価格面では強いが、Bittleのような複雑な動きやリアルな犬らしさとは方向が違う
ざっくり結論
Petoi Quaddleは、「かわいいペットロボットがほしい人」よりも、「四足歩行ロボットを自分で組み立てて、動かして、プログラミングを学びたい人」に向いた製品です。
価格の入口はかなり魅力的です。早期支援価格99ドルからという設定は、四足歩行ロボットとしては手を出しやすく、子ども向けSTEM教材、学校のロボット教材、親子でのプログラミング学習に使いやすい可能性があります。
一方で、Miaのような会話・方言・予定通知・毎日の声かけを期待する製品ではありません。Quaddleは「話し相手」ではなく、「動きを作って学ぶ相手」です。
すでにPetoi Bittleの記事を読んだことがある人は、Quaddleを「Bittleの下位互換」と見るより、より小さく、より安く、より導入しやすい新しいOpenCat入門機として見ると分かりやすいです。

価格・モデルの違い
公式ページで案内されているモデルは、Builder、Buddy、Scoutの3種類です。

| モデル | 早期支援価格目安 | MSRP | 主な対象 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Builder | 99ドル〜 | 149ドル | 初心者・子ども・入門者 | 90以上の動き、Raspberry Pi Zeroソケット、Arduino/ESP32対応、LEGO互換カスタム |
| Buddy | 139ドル〜 | 219ドル | 一般ユーザー | Builderの内容に加え、AI会話、タッチ反応、Learn & Replay |
| Scout | 179ドル〜 | 269ドル | Maker・研究寄り | Buddyの内容に加え、ジェスチャー、光、赤外線センサーなど |
学習用途で最初に試すならBuilder、会話や手で動きを教える体験まで含めたいならBuddy、センサーを使った実験まで考えるならScoutが候補になります。
ただし、Kickstarterの価格は一般販売価格ではありません。送料、税、為替、配送遅延、保証対応を含めた総額は、支援前に必ず確認してください。
どのモデルを選ぶべき?
迷ったときは、「子どもが最初に触る教材」なのか、「親子で会話やタッチ反応まで遊びたい」のか、「センサーや研究用途まで試したい」のかで分けると選びやすいです。
Builderは、ロボットの構造、歩行、ブロックプログラミング、Pythonへの入口を学ぶモデルです。AI会話やセンサー実験よりも、まず組み立てと動作の仕組みを理解したい家庭や教室に向いています。
Buddyは、Quaddleを「机の上のロボット犬」として楽しみたい人に向いています。Builderの学習要素に加えて、AI会話、タッチ反応、手で動きを教えるLearn & Replayが入るため、プログラミングに詳しくない子どもでも「自分が教えた動きをロボットがまねする」体験を作りやすくなります。
Scoutは、単なる入門教材より一歩進めたい人向けです。光、赤外線、ジェスチャーなどのセンサーを使って、環境に反応するロボットを作りたい場合に選びやすいモデルです。学校の発展課題、Maker活動、研究室でのプロトタイピングならScoutが候補になります。
| 選び方 | おすすめ |
|---|---|
| とにかく安く四足歩行ロボットを始めたい | Builder |
| 子どもが会話・タッチ・手で教える体験まで楽しみたい | Buddy |
| センサーや研究寄りの実験まで使いたい | Scout |
| 犬らしい複雑な動きや本格モーションを重視する | QuaddleよりBittle/Bittle Xも検討 |
日本円で見るとどれくらい?
1ドル160円で単純換算すると、Builderの99ドルは約15,840円、Buddyの139ドルは約22,240円、Scoutの179ドルは約28,640円です。MSRP換算ではBuilderが約23,840円、Buddyが約35,040円、Scoutが約43,040円になります。
ただし、これは本体価格だけの目安です。Kickstarterでは送料、税、為替手数料、支援プランの違い、配送先による追加費用が別にかかる場合があります。日本から支援するなら、「本体価格が安い」だけで判断せず、最終支払額と配送予定を見てください。
Petoi Bittleとの違い
Petoi製品を比較するうえで、一番気になるのは既存のBittleとの違いです。

| 比較項目 | Quaddle | Bittle / Bittle X |
|---|---|---|
| 位置づけ | 小型・低価格・入門寄り | より本格的なロボット犬 |
| サーボ数 | 4サーボ中心 | 9サーボ |
| 動き | 歩行、横移動、旋回、90以上の動き | 犬らしい歩行、走行、バックフリップなど複雑な動き |
| 組み立て難易度 | より簡単な方向 | やや本格的 |
| AI会話 | Buddy/Scoutで訴求 | Bittle Xで音声系機能あり |
| 対象 | 子ども、初心者、教室、Maker入門 | より深くロボット制御を触りたい人 |
| 価格 | 入口が低い | Quaddleより高め |
Quaddleは、Bittleより安く、始めやすく、教室や親子学習に導入しやすい方向です。
その代わり、ロボット犬らしい複雑なモーション、より多い関節、動物らしい動きを重視するならBittleの方が向いています。
つまり、Quaddleは「Bittleを買う前のお試し」でもあり、「四足歩行ロボットを授業や家庭で扱いやすくする入門機」でもあります。
4サーボは弱いのか?
Quaddleの大きな特徴は、4サーボで四足歩行を実現する点です。一般的なロボット犬は、脚ごとに複数の関節を持つため、サーボ数が多くなります。Bittleは9サーボ、Nybble Qは11サーボという位置づけです。
サーボ数が多いほど、脚の動きは細かくなり、犬や猫らしい複雑なモーションを作りやすくなります。一方で、価格、組み立て難度、調整、故障箇所、電力消費も増えやすくなります。
Quaddleは、複雑さを減らす代わりに、机の上で扱いやすい価格と構造に寄せています。これは「性能が低い」というより、学習教材としての割り切りです。
子どもがロボット工学に入る最初の一台なら、関節が多すぎるより、構造が見えやすく、壊れにくく、コードを変えた結果がすぐ動きに出る方が学びやすいことがあります。Quaddleはその方向に振ったロボットです。
Quaddleでできること
Quaddleでできることは、大きく分けると「動く」「反応する」「学ぶ」「改造する」の4つです。

歩く・横移動する・その場で回る
Quaddleは4本脚のロボットですが、公式ページでは全方向移動を訴求しています。前後に歩くだけでなく、横方向の移動やその場旋回を行えることがポイントです。
ロボット教材として見ると、これはかなり大事です。車輪型ロボットなら左右のモーター差で曲がるだけでも成立しますが、四足歩行ロボットでは「脚の周期」「重心」「床との接地」「モーター角度」が動きに関わります。
Quaddleはこの複雑なテーマを、低価格かつ小型の机上ロボットとして触れるようにした製品です。
AI会話とタッチ反応
BuddyとScoutでは、AI会話とタッチ反応が訴求されています。
ここで期待しすぎない方がよいのは、QuaddleのAI会話はMiaやRomiのような「毎日話し相手になる会話ロボット」の主機能とは違う点です。Quaddleの会話は、ロボット教材にキャラクター性を足す機能と見る方が自然です。
会話があることで、子どもは「ただの機械」ではなく「反応する相棒」として接しやすくなります。とはいえ、方言、予定通知、家族メッセージ、高齢者向けの声かけまで期待するなら、Quaddleではなく会話型AIペットを選ぶ方が合います。
Learn & Replayで手で動きを教える
BuddyとScoutで特に面白いのが、Learn & Replayです。手でQuaddleの動きを動かし、その動きを記録して再生する仕組みです。
これは、コードを書く前の段階で「動きはデータとして保存できる」「ロボットのモーションは教えられる」という感覚をつかむのに向いています。
子どもにとって、いきなりPythonの文法から入ると少し遠いことがあります。先に手で動かして、動きが再生されるところを見てから、「この動きをコードで変えたらどうなる?」に進む方が、理解の流れが自然です。
LEGO互換・3Dプリントで見た目を変える

QuaddleはLEGO互換ブロックや3Dプリントパーツで外観を変えられることも打ち出しています。
この点は、普通の完成品ロボットとは大きく違います。完成品ロボットは、メーカーが作った姿を楽しむものです。Quaddleは、自分で外装を作ったり、色を変えたり、センサーを載せたりする余白があります。
親子で使うなら、最初は歩かせるだけでも十分です。慣れてきたら、ブロックで耳や背中を作る、3Dプリントでシェルを作る、センサーを載せる、動きを変える、という順番で深められます。
子ども向けAI教材として使える?
Quaddleは、子ども向けのSTEM教材としてかなり相性がよい製品です。
理由は、学習の階段が用意されているからです。
- 最初は組み立てる
- 次にアプリやブロックで動かす
- 慣れたらPythonに進む
- さらにC++やROS/ROS2に進む
- 3DプリントやLEGO互換パーツで外観を変える
- センサーやAI会話で応用する
「ロボットを買って終わり」ではなく、少しずつ難しいことに進める設計になっています。
一方で、低年齢の子どもに渡すだけで完結する玩具ではありません。組み立て、充電、アプリ設定、コード、Kickstarter製品ならではのサポート確認など、保護者や先生の関わりは必要です。
子ども向けに選ぶなら、次のように考えるとよさそうです。
| 子どものタイプ | 向いているモデル |
|---|---|
| ブロック遊びや工作が好き | Builder |
| ロボットに話しかけたり手で教えたりしたい | Buddy |
| センサーや研究寄りの実験もしたい | Scout |
| 完成品のペットロボットとして遊びたい | QuaddleよりMia、Loona、aibo系も比較 |
年齢別に見る使い方
小学生低学年なら、組み立てとアプリ操作、ブロックで簡単な動きを作るところまでが現実的です。この年齢では、プログラミング教材というより「自分で作ったロボットが動く」体験が主役になります。
小学生高学年から中学生なら、ブロックプログラミングからPythonへ進む余地があります。条件分岐、繰り返し、センサー入力、動作パターンの違いをロボットの動きとして観察できるため、画面だけの学習より実感が出やすくなります。
高校生以上やMaker用途なら、C++、Arduino IDE、ROS/ROS2、Raspberry Pi Zeroソケット、センサー拡張が意味を持ちます。研究用の大型ロボット犬ほどの性能はありませんが、四足歩行・センサー・AI会話・物理AIの概念を小さな環境で試せます。
教室で使う場合の注意
教室導入では、本体価格よりも運用が重要です。
- 何台必要か
- 充電時間と授業時間が合うか
- 故障時の予備パーツをどうするか
- 先生がどこまで設定を担当するか
- 日本語教材が足りない場合に英語資料を読めるか
- 生徒が持ち帰るのか、学校で保管するのか
特にKickstarter製品は、発売後の一般流通品と違って納期や仕様が変わる可能性があります。学校や教室で年度計画に組み込むなら、実機が安定供給される段階まで待つ判断もあります。
Miaとの違い
MiaとQuaddleは、どちらもロボットですが、目的がかなり違います。
| 比較項目 | Petoi Quaddle | Mia |
|---|---|---|
| 主な目的 | STEM教育、物理AI、ロボット制御 | 会話、方言、表情、生活の声かけ |
| 体験 | 組み立てて動かす、プログラミングする | 置いて話しかける、声を聞く |
| 動き | 四足歩行で動く | 自走しない |
| 会話 | Buddy/ScoutでAI会話を訴求 | 会話モデル、方言、天気、予定、家族メッセージ |
| 向いている人 | ロボットを学びたい人 | 日常の癒しや声かけがほしい人 |
| 注意点 | Kickstarter・組み立て・技術サポート | 会話機能は対応本体と月額サービスが必要 |
Quaddleは、ロボットの仕組みを学ぶ教材です。Miaは、暮らしの中で声を届けるAIペットです。
子どものプログラミング学習やMaker用途ならQuaddle。高齢者や一人暮らしの声かけ、方言での親しみやすさ、日常の会話を重視するならMia、という住み分けになります。

他のロボット犬・教育ロボットと比べると?
Quaddleの比較対象は、aiboやLOVOTよりも、Petoi Bittle、Mini Pupper 2、Unitree Go2、Hengbot Siriusなどです。ただし、この中でも価格帯と用途はかなり違います。
| 製品 | 向いている用途 | Quaddleとの違い |
|---|---|---|
| Petoi Bittle / Bittle X | 本格的な小型ロボット犬教材 | サーボ数が多く動きが複雑。Quaddleより高めだが犬らしさは出しやすい |
| Mini Pupper 2 | Raspberry Pi/ROS学習 | 研究・開発寄り。Quaddleより学習負荷が高い場合がある |
| Unitree Go2 | 本格ロボット犬・産業/研究寄り | 価格もサイズも別カテゴリ。家庭教材としては大きすぎる |
| Hengbot Sirius | AI訓練可能なロボット犬 | ペット感や完成品体験が強い。Quaddleは教材・改造寄り |
| Mia | 会話・方言・生活の声かけ | 動かないが、家族や高齢者の日常会話には向く |



Quaddleは、これらの中では「小さく、安く、改造できる入門機」という立ち位置です。
完成品としての感情表現や愛着を求めるならHengbot Sirius、日常の話し相手ならMia、ロボット制御を手元で学ぶならQuaddle、という分け方が自然です。
購入前の注意点
Kickstarterのリスクを見る
QuaddleはKickstarter案件です。支援額が集まっていても、一般販売品をAmazonで買うのとは違います。
配送時期、仕様、付属品、サポート、アプリ仕様、AI会話機能、保証内容は、キャンペーンページの最新情報を見て判断してください。
特に日本から支援する場合は、送料、関税、技適、アプリ対応、日本語教材の有無を確認したいところです。
「ペット感」を期待しすぎない
Quaddleはロボット犬ですが、aiboやLOVOTのような愛着形成型ペットロボットとは方向が違います。
かわいさはありますが、中心は学習と開発です。犬のように甘える相手というより、机の上で動かしながら仕組みを理解する教材です。
AI会話は主役ではない
BuddyとScoutではAI会話が訴求されていますが、Quaddleの本質は四足歩行・プログラミング・OpenCatです。
会話の自然さ、方言、日常の雑談、予定通知を重視するなら、会話型ロボットと比較した方がよいです。
技適・日本語対応・サポートを確認する
日本で無線通信を使う製品を使う場合は、技適の確認が必要です。Kickstarterページや公式ページで日本向け配送が選べても、日本国内利用の条件まで保証されるとは限りません。
また、Quaddleは教材として英語情報が中心になる可能性があります。公式ドキュメント、アプリ、サンプルコード、サポート窓口、日本語教材の有無は、子ども向けに買う前に確認したいポイントです。
特に、保護者がプログラミングに詳しくない場合、トラブル時に日本語で調べられる情報が少ないと止まりやすくなります。最初から完璧に使いこなすより、「英語ページを見ながら少しずつ触る」前提で買う方が現実的です。
部品・バッテリー・アプリの継続性を見る
ロボット教材は、買った直後よりも半年後、一年後の運用が大事です。
サーボ、バッテリー、脚パーツ、外装、充電ケーブル、アプリ、ファームウェア更新が続くかどうかで、学習教材としての寿命が変わります。
PetoiはBittleやNybbleで既にコミュニティと製品展開があります。その点は新興の単発ガジェットより安心材料です。ただし、Quaddle自体は新しいKickstarter案件なので、実際の量産後レビューとサポート状況は追って確認したいところです。
まとめ:Quaddleは「飼う」より「作って学ぶ」ロボット犬
Petoi Quaddleは、99ドルから始められる小型四足歩行ロボットとして、かなり面白い存在です。
4サーボ構造、OpenCat、ブロックプログラミング、Python、C++、ROS/ROS2、LEGO互換カスタム、3Dプリント対応など、学びの入口が広く、子どもから研究寄りのユーザーまで段階的に使えます。
ただし、ペットロボットとして癒しや会話を求める人には、少し方向が違います。
Quaddleは、ロボットを「飼う」より「作って学ぶ」製品です。Petoi Bittleより手軽にOpenCatの世界へ入ってみたい人、親子でプログラミングや物理AIを体験したい人には、候補に入れる価値があります。
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